マヘリア・ジャクソンについて2

昨日、マヘリアについてご紹介したところ、
「え、もう終わり?」的な声が聞こえて
きましたので、本日も続編をつづることに
しました。

今日はマヘリアの生い立ち・経歴についてのお話です。

1911年 彼女はニューオリンズのBlack Pearlという黒人居住区で
生まれます。まだアメリカでは人種差別の厳しい時代のことです。
7歳で母親を亡くし、幼少時代は極貧にあえぎ、歌で食べていける
ようになるまでは、いろいろな職を転々としたと伝記にはつづられてます。

しかし同時に幼少からバプティスト教会でゴスペルを歌っていた彼女は、
その独特の歌い方と尋常ではない声量から、すでに周囲から一目置かれて
いたとも言われています。

彼女の人生は16歳でシカゴに移り住んでから変わり始めます。
ジョンソンブラザーズというゴスペルグループで、プロとして
活動し頭角を現し始めます。

1937年、ソロ活動でレコードを1枚出しますがあまり売れず、
まだ有名シンガーとは程遠い状況でした。
そもそもまだゴスペルがさほど市民権を得ていなかったのかもしれません。

しかし、彼女の歌声は徐々に評価され始めます。
伝統的なゴスペルの歌い方に加え、リズム&ブルースの色を濃くした、
ソウルフルな声、圧倒的な声量と、荘厳な歌い方は、音楽評論家の
間でも少しずつ名が広まっていきます。

1948年の「Move on up a Little Higher」がついにヒットし、
アメリカからヨーロッパにかけて彼女の評判が知れ渡ると、
以降は次々とレコードが売れていくようになります。

1960年代、既に不動の地位を築いていたマヘリアは、1962年に
あのケネディ大統領の就任前夜祭で歌うまでになり、
あのマーティン・ルーサー・キング牧師の有名な「I have a dream」
演説前に歌って、25万人の観衆を魅了したそうです。

亡くなる1972年まで、彼女は最後まで現役ゴスペル歌手として、
キャリアをまっとうします。

彼女のスタイルは、単独斉唱です。
クワイアはバックにいないことが多いです
(たまにいる映像もあります)。

太い、荘厳な、体全体から共鳴される、その深みある低音域と迫力。

圧巻です。


by Shinshi



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