Natalie Coleについて その3

人生には輝かしい時期もあれば、暗くて辛く苦しい時期も必ずあります。

ナタリー・コールはまさにそんな明・暗の繰り返しの人生でした。

1970年代後半にグラミー賞を受賞し、ヒットを飛ばした彼女も
80年代に入るとスランプになり、薬にハマってしまった影響で
ステージにも立てず、CDもしばらくリリースできない状況が
続きます。

しかし懸命のリハビリと、もう一度表舞台に立とうという彼女の
強い意志により、1987年 Pink Cadillacのヒットにより再び復活を
遂げます。


そして、立て続けに89年のMiss You Like Crazyのヒットにより
第二のピークが始まります。



このあたりから、70年代後半の「元気」路線から、少しずつバラードや
大人の曲が増えていったような印象です。そして91年に父ナット・キング・
コールと同じジャズの道へと踏み入れて、あの名曲Unforgettableの
再現でグラミー賞3部門受賞となり、完全復活を果たします。

彼女がすばらしいのは、R&BかつSoulfulでキンキンとして輝いた声が
持ち味だったところから、40代を迎えてしっとり落ち着いた深みのある
声へシフトして、ジャズの歌い手としても超一流となったことです。
才能があったとはいえ、恐らくカンタンなことではなかったと察します。
相当努力をしていたことでしょう。

彼女は800曲以上のレパートリーを持っていて、その場の急なリクエストで
アドリブ交えて歌っていたようです(と、業界の方から聞きました)。
ジャズの世界では、それが当たり前ですからね。

もちろん歌詞なんて見てませんよ(笑)。
プロ中のプロですからね。

つい最近も、Blue Note Tokyoに来て歌っていた気がしていたのですが、
実はひそかに病気は進んでいたのですね。
もう生で聴けないと思うとさびしいですね。

でも彼女の残した音源は、たくさん残っています。
私たちも勉強できて良いところをたくさん見習っていきたいと存じます。

ナタリー・コールさんのご冥福を祈ります。

by Shinshi



前の記事
2016年01月05日
次の記事
2016年01月07日
コメント
name.. :記憶
e-mail..

画像認証
画像認証(表示されている文字列を入力してください):
  • 記事検索
RSS