ゴスペルを歌うその奥に

先日、某バンドの直前練習で、目黒rootsさんの講師もされている
Shihoさんとご一緒させていただきました。

「Ain't No Mountain~」などをゲストで歌っていただく
のですが、もう最後の30分弱だけで十分という感じで、
楽しむ余裕すら感じました。

NEC_0618.JPG

その時に「ゴスペルを歌う」ということについて、ちょっと
熱く語ったのですが、いいお話があったので一部ご紹介します。

いろいろなクワイアを聴きに行く中で、「歌に魂がこもっていない
クワイアもたまにいる」という話で盛り上がりました。

例えば、「同じTotal Praiseを歌っているのを聞いても、全く心に
響かないのです」と。

「楽譜どおりに歌っている、歌詞をなぞっているだけ、そのまま
メロディーを単純に口から声を出しているだけで、そこに何も
魂がない!」と。
「だから何も感動しないんだ」というお話でした。
※たぶん、この点を目黒rootsさんでは、水帆先生が徹底されて
 いらっしゃるのではとお察ししました。素晴らしいです。


共感しました。
なぜなら全く同じことを、以前私も他の場所で何度も感じたことがあったので。

やはりゴスペルをただ譜面や歌詞を見て歌うだけでは、人の心をつかむことは
ないんですよね。
それだけでは、ただの合唱ですから。

いくらハーモニーがきれいだって、伴奏の人もうまかったからって、
聴き手側が何も感じない時があるのです。
それには理由があるのです。

「魂がこもっていない」のです。

ゴスペルを歌うその奥にあるものを、歌う人が感じて歌っていないのです。

歌詞をきちんと理解した上で、そこに神を思う聖なる気持ちや、
自分の心を解き放って、歌を天に届けたいと思っているのか。
自分の歌声を通じた表現、そして歌っている人としての表情など
どれをとっても、そこに伝えたい「気持ち」がなければ、何も
お客様に響かないのです。
※という内容を、私も散々語ってしまいました。
 めんどくさい人間ですみません(笑)。


これ、ゴスペルに限らず、普通の曲を歌うにも同じなんですよ。

以前、このブログでも書いたかもしれませんが、下を見て、
譜面をみながら、あるいは歌詞を見ながらステージで歌う人、
よく見かけますが、お客様はどう思うでしょう?

スナック・カラオケで素人さんが下を見て、歌詞をなぞって
歌っているのに感動されますか?全く感動するワケもありません。

(失礼な話かもしれませんが)あれは自己満足の世界ですので、
それはそれで良いのですが、お客様のことなど全く考えていないので
自分のことしか考えていないからです。

だからこそ、私たちはそうならないように、歌詞を理解した上で、
この曲にこめられた思いを、自分の中でどう消化して、どう表現
し、どう「発散」させていくのか。

これをしっかり意識することが大切です。

なので、私は以前から「ステージでは歌詞を見ないで、歌ってください」
とAJC/AGCの中では言い続けております。

難しいことですが、とても重要です。
なぜなら、これがお客様に感動を与える重要な要素だからです。

例えば「切ない曲」で泣いたことって、皆さんありますか?
それは、曲がいいのはもちろんですが、歌い手さんがその切なさを、
自分の中で消化してから、皆さんに伝えるべくめいっぱい表現を
されているからこそ、感動するのだと存じます。

過去、私もいろいろな方々に(特に若手ミュージシャン)口すっぱく
言ってまいりましたが、もちろんそんな私も完璧ではないので、
えらそうなこと言えるわけもなく、まだまだ勉強すべき立場だと、
当然思ってます。
しかも、そのゴールも果てしなく遠いと思ってます。


AJC/AGCも「楽しい曲」を表現することについては、比較的伝わっている
のでは、と感じます。

そこに聖なる曲、感謝する曲、ほめたたえる曲、といろいろある中で、
思いを伝えるということが、どれだけこれまで意識できていたか、
というのは、すべての曲でできていたかというと、私が言い足り
なかったこともあって、反省する点でもあります。

いつも肝に銘じていないといけないな、と思います。

そして私たちも、いよいよ今週末、そして来週末と、2週連続でステージに上がります。
その曲の歌詞、伝えたい思いを、しっかりと胸に刻んで、魂のこもった
歌を
お伝えできたら幸いです。

そういえばTotal Praiseについて、急きょ10/17(金)のイベントで歌うことになりました。
私たちのTotal Praiseを感じていただけるように、心をこめて歌いたいと存じます。

さすがにこの曲は、師のGregに「もはや、彼らは日本人じゃないよ」と
ステージ上で初めてほめてもらった思い出の1曲ですからね。


by Shinshi



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